日々、訪問看護

40代訪問看護師(非常勤)です。仕事のことを中心につらつらと書いています。

登録型?時間給制?非常勤訪問看護師への転職

雇用形態が多様化している今日ですが、訪問看護でもいくつかの働き方を選択できます。

以前、訪問看護はママさんナースにもおすすめとお話しましたが、その一番の理由は「短時間でも働ける」ということです。

今日は常勤以外の働き方と給与についてお話したいと思います。

  

短時間でも働けるのが訪問看護の魅力です 

「子育て中だけど働きたい」

「午前中だけなら時間があるのに」

「体力はないけれど看護師は辞めたくない」

1日1時間だけ、1週間のうち1日だけ、午前中だけ、訪問看護ではどの働き方も可能です。

 

 

「1時間でも可」とはどういう意味か

 

訪問看護ステーションの求人をみると「1日1時間でも可」とか「1日1件でも可」などの言葉を目にすることがあります。

「1日1時間だけ働くって、いったい何をするの?」

私も初めはそう思いました。

 

1回の訪問は20分から90分

訪問看護介護保険)の1回の訪問時間は

訪問看護Ⅰ1(20分未満)

訪問看護Ⅰ2(30分未満)

訪問看護Ⅰ3(30分以上60分未満)

訪問看護Ⅰ4(60分以上90分未満)

と定められています。

利用者さんの状態によって訪問時間を決めますが、圧倒的に訪問看護Ⅰ3が多いです。

訪問看護Ⅰ3までならば「1日1時間勤務」がかないますね。

 

「1日1時間から可」でも1時間で帰宅できるとは限らない 

1日1時間だけなら働けるかも!

と思った方、ちょっと待ってください。

拘束される時間は1時間とは限りません。

このことは、次の項目でお話します。

  

登録型か、時間給制か。良く考えてから決めましょう

非常勤訪問看護師の働き方には、おもに登録型と時間給制(パート)の2種類があります。

 

登録看護師とパート看護師の違い

登録看護師は、1件訪問当たりの金額が設定されており、件数×金額で給与が計算されます。

私が見学または勤務したステーションでは、60分訪問に対してだいたい3000円~5000円で設定されていました。

1件当たりの契約なので、福利厚生は受けることができません。

 

対してパート看護師は時間給制なので、時給×契約時間で給与が計算されます。(残業代も出ます)

訪問看護師の時給はだいたい2000円前後でしょうか。

勤務時間によっては社会保険などの福利厚生も受けることができます。

 

登録型と時給の金額設定が違う理由

登録型と時給制を1時間で比べてみると、登録型の方が金額が高く設定されています。

なぜでしょうか。

 

訪問看護の仕事は利用者さんを訪問することだけではありません。

訪問看護報告書・計画書の作成や、他職種との情報共有、時にはサマリーを書くことも。

訪問看護は、直接的なケア(訪問)と間接的なケア(上記のような雑務)から成り立っているのです。

 

1件当たりで契約する場合(登録型)は、訪問以外の雑務をする時間も込みになっていることが多いです。

例えば訪問60分、ステーションに戻って報告書・計画書の作成を30分、利用者さんのことでケアマネさんとのやりとりに10分かかったとすると、働いた時間は100分です。

細かく考えると、ステーションから利用者さん宅まで5分だとして往復で10分ですから、1件の訪問に110分かかったことになります。

60分訪問1件当たり3000円の契約ならば、この場合は110分で3000円ということになります。

このように、1件の訪問に関わるその他のことへの対応も含まれていることから、金額が高めに設定されているのだと思います。

とはいっても、計画書や報告書は月1回ですし、毎回他職種とのやりとりがあるわけではありません。

また、ステーションによっては訪問だけをお願いして雑務は社員が行うところもあります。

そのようなステーションでは60分+移動時間だけを考えれば良いと思います。

 

一方で時給では、契約時間内で訪問も雑務も行います。

例えば1日1時間、時給制で契約したとします。

1時間の契約で現実的に訪問可能なのは30分訪問まででしょう。

訪問時間30分+移動時間+雑務という感じで。

残業ありきで雇用するところはないでしょうから、ステーション的に60分訪問を1件お願いしたい場合は、時給で2時間か、登録で1件の契約を勧められると思います。

先ほどお話したように訪問看護では60分訪問が多いので、非常勤にはできれば60分訪問をお願いしたいところではないでしょうか。

このような事情から、「1日1時間可」はイコール60分訪問のこと、さらに言えば登録型での契約を指していることが多いと思います。

 

登録型or時給 ライフスタイルにあわせて

では、どちらの働き方を選べばよいのでしょうか。

時給では契約時間がありますので、決められた時間は訪問があってもなくてもステーションにいる必要があります。

登録型では自身の訪問に合わせて出勤・退勤が可能です。

より短時間で効率よく働くなら登録型、いずれは社員になることを考えていて、雑務も学びつつゆったり働くなら時給制でしょうか。

週20時間などある程度まとまった時間働けるならば、ぜひ福利厚生もチェックしてください。

私の場合、訪問看護が初めてだったのでまずは週二回で登録し、体を慣らしつつ介護保険の勉強をしました。

その後非常勤となり、少しずつ勤務時間を増やして現在は週30時間ほど働いています。

社会保険雇用保険に加入できたのも良かったと思っています。

若いころは福利厚生には疎かったのですが、子供が生まれて今後の生活を考えるにつれ、重視するようになりました。

非常勤になった時には就業規則を穴が開くほどながめましたよ。

待遇面も大切ですからね。

 

訪問看護は短時間勤務からでも着実に成長できる

私は訪問看護師になるまではずっと病院に勤務していました。

産休、育休で休んだ以外は新卒からずっとです。

育休の間は自分がどんどん遅れていくようで怖かったです。

病院勤務以外は考えたこともなく、非常勤なんてもってのほかだと考えていました。

仕事中心で、今思うと結構アブナイですね。

 

訪問看護師になって、週二回の登録スタッフとなり、当時は子供が早く大きくならないかなと思っていました。

そうしたらフルタイムで社員になるのに。

でも、在宅では週二回しか働いていない私も利用者さんにとってはちゃんと看護師でした。

患者さんとお話しているときでもナースコールを気にしたり、次にすることを考えていた病院勤務時代とは違い、訪問時間内はひとりの利用者さんにじっくり関わることができます。

困ったら利用者さんも一緒に打開策を考え、行動することでケアが展開していく面白さ。

次第に非常勤だからダメと卑屈になっていた気持ちはなくなりました。

短時間勤務からでもステップアップできるのが訪問看護の良いところ。

「ちょっとしか働けないなら意味がないかな」と考えている看護師さんにこそ、訪問看護をお勧めしたいです。