災害時の訪問看護 台風19号上陸で考えたこと
10月だというのにまた台風…。
台風15号で大きな被害をうけた千葉の友人は、あきらめに近い心境だと。
私は、気象情報に注意を払いながら今日も訪問へ出かけました。
災害時は利用者さんだけでなく自身も守る
昨夜から雨が降り始め、今朝はどしゃ降りでした。
いつもの訪問バッグはやめて、ナイロン素材のリュックに必要な物だけ詰めて背負い、そのうえからレインウェアを着て徒歩で出発。
歩きながら災害時の訪問看護について考えていました。
事前準備とシミュレーションは『普段から繰り返し』行う
台風であっても訪問を必要としている利用者さんはたくさんいます。
私が勤務するステーションには、人工呼吸器を使っている方や末期がんの方もいらっしゃいます。
在宅での生活が長く慣れていらっしゃるならば少しは安心できますが、在宅での生活を始めたばかりの方や状態の悪い方はそうもいきません。
防災意識を高めておく
昨日スーパーへ寄ったら、ペットボトル飲料、精肉、カップラーメン、パンなどの棚は軒並みからっぽでした。
8年前を思い出します。あのときも何もなかった。
当時私はたまたま東北の実家に帰省していました。
現在もウォーターサーバーの水は12リットルを3本常備しておかないと落ち着きません。
カセットコンロは2つ持っています。
あとはパックのごはんとフリーズドライの味噌汁、ビスケット、除菌ウェットティッシュ、モバイルバッテリー。
他には、ないと困るものを常にちょっと多めに買ってあります。
ですので、今回はスーパーに何もなくても特に慌てませんでした。
仕方がない、あるもので済まそうと何も買わずに帰宅しました。
日本は地震や台風など自然災害の多い国です。
竜巻や予想外に長期化した停電など、防災対策だけではどうにもならないこともありますが、普段から防災意識を高めておく必要はあると思います。
「こんなときどうする?」を話し合っておく
以前も書きましたが、在宅では「こうなったら困る」ということを具体的にイメージし、実際に起きたらどうすれば良いかをあらかじめ話し合っておくことが大切です。
例えば、病院ではご家族が人工呼吸器の回路交換をすることはありません。
でも、在宅では緊急事態に備えてご家族にも覚えていただきます。
夜間などは医師や看護師がすぐに駆けつけられないことも多くあります。
ご家族やご自身で対応できることを増やしておけば、利用者さんを守ることに繋がります。
特に「停電になったらどうするか」は、どの利用者さんとも話しておくようにしています。
災害時にも必ず役立つと思います。
地元の訪問看護ステーションで働いてほしい
今日は絶対に訪問が必要な利用者さんをだけを、スタッフで手分けして午前中に訪問しました。
訪問先を決めるときには、どのスタッフも行きたくないとは言いませんでした。
私も自分が中心で担当している利用者さんのところへは私が行きたい!と思います。
でも、こういう時こそ自分自身の安全も確保しなくてはならないとも思います。
訪問途中で私に何かあれば、利用者さんにもつらい気持ちにさせてしまいますよね。
訪問看護を始めた当初、私は都心のステーションに通勤していました。
登録型での勤務だったので緊急対応することはありませんでしたが、すぐには駆けつけることのできない距離です。
現在は地元のステーションで働いています。
医療依存度の高い利用者さんや、在宅看取りの利用者さんの対応をしているステーションで働きたいと言いながら、遠方に住んでいることに違和感を感じていたことも今のステーションに移った理由のひとつです。
今日は地元のステーションで良かったなぁとしみじみ思いました。
だって、徒歩で訪問できるのですから。
久しぶりに歩いたのと台風で緊張していたのとで、結構疲れましたけどね。
これから訪問看護を始めたいと考えている看護師さんには、ぜひ地元で働いてほしいです。
地元の看護師で構成されたステーションならば利用者さんの安心感は増しますし、ご自身の安全も確保しやすいのではないでしょうか。
もちろん、通常の通勤も楽々ですよ。